悲報!改悪 確定拠出年金の退職金控除制限

改良の報道の隅でしれっと改悪されてしまいました。

 

まずは制度改良点から

来年からIDECO(確定拠出年金)の制度が変更されて、ほぼすべての会社員が加入できることになりました。

いままでは、一部の会社員はIDECOに加入することができなかったので、老後の資産形成という点ではとてもいい改良だと思います。

 

政府としては、IDECO加入分の所得税が減税されるので財政面からは減収になってしまいます。

そこで、きちんと税金が取れるように制度改正もしっかり行っているようです。

 

改悪点

IDECOは、60歳以上で引き出す段階で総資産に対して課税されてしまいます。

ただし、退職控除が使えるので減税することができますね。

 

退職控除

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数
(80万円に満たないときは80万円)
20年超え 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

 

800万円+70万円×(勤続年数-20年)

 

問題は、退職金とIDECOの支給年度がずれてしまったときです。

先に退職金もらってあとからIDECO支給にした場合、現在の制度では15年後遅く支給しないと退職金控除されません。

(IDECOは60歳以降でないと支給されないので、60歳退職金と同時支給なら合算で、退職金控除が使えます。)

 

これが、さらに延長されることになります。

 

2022年3月まで

 退職金をもらってから、15年以降にIDECO支給にしないと退職金控除が減る。

  (働いている期間の退職金控除無し)

 

2022年4月から

 退職金をもらってから、20年以降にIDECO支給にしなければならない。

  (働いている期間の退職金控除無し)

 

 

つまり、60歳定年で退職金をもらった後は、80歳にならないとIDECOの退職金控除は使えません。

しかも、IDECOの一括支給は、75歳までなのです。

通常の60歳定年では、退職控除は1回しか使えないと思ったほうがいいでしょう。

 

退職金控除を2回使う方法は

 

ケース1(IDECO支給後は5年で退職金控除が復活)

60歳でIDECOを一括支給する。

65歳で退職金をもらう。

 

ケース2

55歳で退職金をもらう

75歳でIDECOをもらう。

 

現状は、これしかありません。

ただこれも、改悪されてしまいそうな気がします。

 

IDECOを推進している政府としては、出口でしっかり税金をとろうという戦略が見えてきます。

老後は自助努力といって、投資させ大きく資金を増やした後にノーリスクで税金を取ろうという戦略なのでしょうか。

 

私はすでに退職金をもらってしまったので、20年後でも問題はありません。

この先制度改悪が続くかもしれませんので、IDECOへの拠出も最低限でいいのではないかなと思います。